成熟した卵胞の中に成熟した卵子ができます。
つまり、未成熟の卵胞から卵子を採ってきても、その卵子は未熟ゆえに受精できません。
従って排卵直前の卵胞である成熟卵胞から卵子を採ることが通常の体外受精では 必要になります。小さな卵胞から卵子を採っても未熟な卵子ですから、受精できず妊娠には至りません。
一次卵胞から胞状卵胞にいたる間で急激にサイズが大きくなります。
この間に将来の急遠に進行する卵子の成熟(核の成熟、細胞質の成熟)に備えて、核も細胞質もその準備をするためです。
胞状卵胞から排卵のサイクルに入った顆粒膜細胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)を作り出します。作り出すエストロゲンの量は顆粒膜細胞の数に比例しますから、排卵期胞状卵胞の時期が、ピークになります。作られたエストロゲンは血流に乗って子宮に運ばれ、子宮内膜を厚くします。女性ホルモンの代名詞であるエストロゲンは全身に運ばれて女性の体にとって大切な役割を果たします。閉径すると、骨がもろくなり( 骨粗しょう症、腰が曲がる)、肌につやがなくなったりするのはエストロゲンが作られなくなることが一因です。
卵子にとって大変重要な働きをします。卵子と顆粒膜細胞の間はいくつもの細い管(gap junctions) でつながっています。
このような繋がりを通じてお互いの状況を知らせあい、刺 激したり抑制したりしながら、成熟・排卵に向けて助け合いをしています。
原始卵胞から前胞状卵胞までは3 ヶ月以上かけてゆっくりと到達します。
前胞状卵胞から初期胞状卵胞までは約25 日かかります。
初期胞状卵胞まではFSH( 脳下垂体から出る 卵胞刺激ホルモン) に関係なく発育していきます。直径が2-5mmになるとFSH に反応して発育するようになり、selectable follicle( " 選択される可能性" を持った卵胞)と呼ばれます。
24-33 歳の婦人では前の周期の黄体期には3-11 個のselectable follicle があります。
排卵に向かう卵胞はこれらの卵胞の中にあります。
このサイズになると月経開始から約2 週間で排卵になりますが、排卵に至らなかった卵胞は閉鎖卵胞となり消えてなくなってしまいます。selectable follicle のうち、どの卵胞が排卵し、どの卵胞が閉鎖に向かうのかはまだはっきり解明されていません。
selectable follicle の数は年齢が増すに伴い減少していきます。
この段階にはいると卵胞の中 の顕粒膜細胞はFSH の刺激により盛んに増殖し、卵胞液も急増します。ほんの2 週間で卵胞のサイズも数mm から2cm にまで急激に大きくなります。この間に顆粒膜細胞は盛んに エストロゲンを作りだします。
また、一説には一回の排卵で消失する卵子の数は20 歳代で約1000 個、30 歳代で約500 個、35 歳代 で100 個、40 歳代で約10 個と言われています。大変多くの数の卵子が但月消失していくわけです、排卵にいたる卵子がその中で最も質の高いものかどうかは分りませんが、少なくとも相対的に良質な卵子が選ばれて排卵するのではないでしょうか?排卵期近くなると顆粒膜細胞は変化していきます。
卵胞が排卵期に近くなると、その中にある顆粒膜細胞はLH(脳下垂体からでる黄体化ホルモンです。これが急檄に放出されると"LH サージ" と言われえる排卵の指令になります。) に対して反応するようになり、形態的にも、機能的にも変化していきます。LH サージが起 こると顆粒謨細胞は増殖を停止して、エストロゲンを産生することからプロゲステロン(黄体ホルモン)を作るように変わります(これを黄体化と呼ぴます)。
また、今までは卵子や 卵胞壁にしっかりとついていた顆粒膜細胞の結合が緩くなり(前述したgap junction がはずれます)ます。
顆粒膜細胞からは卵子の最後の成熟を抑える信号が出されていましたが、顆粒膜細胞と卵子の間の結合がはずれるとその抑制がなくなり、卵子は成熟完了に向かいます。顆粒細胞層の更に外側に構成されていた來膜細胞層から毛細血管が伸びてきます。顆粒膜細胞は黄体細胞に変化します。